墓じまいにかかる費用は、一般的に30万円~150万円ほど。「少しでも費用を抑えたい」と考えて、自分でできる部分は自分でやりたいという方は多いでしょう。実際、墓じまいの手続きの中には自分で対応できるものと、業者に任せるべきものがあります。
本記事では、墓じまいで自分でできること・業者に任せるべきことを明確に分け、自分で進める場合の具体的な手順と注意点を解説します。費用を抑えつつも失敗しない「ハイブリッド方式」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
墓じまいで自分でできること・業者に任せるべきこと
墓じまいの作業は大きく「手続き・調整」と「現場作業」に分かれます。それぞれについて、自分でできる範囲と業者に任せるべき範囲を整理しました。
| 作業項目 | 自分で可能か | 備考 |
|---|---|---|
| 親族への連絡・相談 | 自分でやるべき | 最も重要な工程。丁寧に進める |
| お寺への連絡・離檀交渉 | 自分でやるべき | トラブル時は弁護士に相談 |
| 改葬許可申請 | 自分で可能 | 自治体窓口で書類を取得・提出 |
| 改葬先(納骨先)の選定 | 自分で可能 | 見学・資料請求で比較検討 |
| 閉眼供養の手配 | 自分で可能 | 菩提寺または僧侶手配サービスを利用 |
| 墓石の解体・撤去 | 業者に依頼 | 重機が必要。資格のある石材店に依頼 |
| 遺骨の取り出し | 業者に依頼 | 石材店が墓石解体時に対応 |
| 墓地の整地・返還 | 業者に依頼 | 墓地管理者の基準に合わせた整地が必要 |
ポイントは、「手続き・調整」は自分で対応でき、「現場作業」は業者に任せるべきだということです。墓石の解体は専門的な技術と重機が必要なため、必ずプロに依頼しましょう。
自分で行う手続きの流れ(6ステップ)
自分で対応できる部分について、具体的な進め方を6つのステップで解説します。
ステップ1:親族への相談と合意形成(1~2ヶ月)
墓じまいは家族全体に関わる問題です。兄弟姉妹、叔父叔母など関係する親族に早めに連絡し、墓じまいの理由と今後の供養方法について丁寧に説明しましょう。全員の合意を得てから次のステップに進むことが、トラブル防止の鉄則です。
ステップ2:改葬先の選定と契約(1~2ヶ月)
遺骨の新しい受け入れ先を決めます。永代供養墓、納骨堂、樹木葬、海洋散骨など、選択肢はさまざまです。複数の施設を見学し、費用・立地・管理体制を比較して選びましょう。改葬先が決まったら「受入証明書」を発行してもらいます。
ステップ3:お寺・墓地管理者への連絡(2週間~1ヶ月)
現在の墓地の管理者に墓じまいの意向を伝えます。菩提寺がある場合は、感謝の気持ちを込めて丁寧に伝えることが大切です。「埋葬証明書」の発行を依頼し、閉眼供養の日程も相談します。
ステップ4:改葬許可申請(2週間~1ヶ月)
墓地のある市区町村の役所で「改葬許可申請書」を入手し、必要事項を記入します。申請には以下の書類が必要です。
- 改葬許可申請書(役所で入手またはダウンロード)
- 埋葬証明書(現在の墓地管理者が発行)
- 受入証明書(改葬先が発行)
- 申請者の本人確認書類
書類に不備がなければ、通常1~2週間で改葬許可証が発行されます。
ステップ5:閉眼供養の実施
墓石を撤去する前に、僧侶による閉眼供養(魂抜き)を行います。菩提寺に依頼するのが一般的ですが、菩提寺がない場合は僧侶手配サービスを利用できます。お布施の相場は3万円~5万円程度です。
ステップ6:石材店への撤去依頼と立ち会い
墓石の解体・撤去・整地は石材店に依頼します。複数の石材店から見積もりを取り、費用と対応内容を比較しましょう。撤去作業当日は可能であれば立ち会い、遺骨の受け取りを行います。
自分でやるとどのくらい節約できる?
手続きを自分で行うことで、どの程度の費用を節約できるのかを比較しました。
| 項目 | 全て業者に依頼 | 手続きを自分で実施 | 節約額 |
|---|---|---|---|
| 行政手続き代行費 | 3万円~5万円 | 0円(自分で対応) | 3万円~5万円 |
| 改葬先の選定サポート | 含まれる場合あり | 0円(自分で見学・比較) | 0円~3万円 |
| 親族調整・寺院交渉 | 5万円~10万円 | 0円(自分で対応) | 5万円~10万円 |
| 墓石撤去工事 | 10万円~30万円 | 10万円~30万円(業者に依頼) | 0円 |
| 閉眼供養 | 3万円~5万円 | 3万円~5万円 | 0円 |
| 合計 | 21万円~50万円 | 13万円~35万円 | 8万円~18万円 |
手続き部分を自分で対応することで、8万円~18万円程度の節約が可能です。特に親族調整や寺院への連絡は、当事者が直接行う方がスムーズなケースも多く、費用面以外のメリットもあります。
自分で進める際の注意点5つ
注意点1:改葬許可証なしに遺骨を移動してはいけない
法律上、改葬許可証がなければ遺骨を他の場所に移すことはできません。手続きを省略しようとすると、墓地埋葬法違反となる可能性があります。必ず正規の手続きを踏みましょう。
注意点2:墓石の解体は絶対に自力でやらない
費用を抑えたい気持ちから墓石を自力で解体しようとする方がいますが、これは非常に危険です。墓石は数百キロの重量があり、重機なしでの作業は事故のリスクがあります。また、墓地管理者が認めた業者でなければ作業できない規定がある墓地も多いです。
注意点3:親族への相談を省略しない
「自分が墓の管理者だから」と親族に相談せずに墓じまいを進めると、後から大きなトラブルに発展することがあります。法的には祭祀承継者の判断で墓じまいは可能ですが、親族関係を良好に保つためにも事前の相談は欠かせません。
注意点4:お寺への伝え方に配慮する
檀家をやめることはお寺にとって収入減を意味します。事務的に伝えるのではなく、これまでの供養への感謝を伝えつつ、離檀の理由を丁寧に説明しましょう。最後の法要として閉眼供養をお願いすることで、円満な離檀につながります。
注意点5:スケジュールに余裕を持つ
自分で手続きを進める場合、書類の不備や自治体の対応に時間がかかることがあります。全体で3ヶ月~6ヶ月程度の期間を見込んでおくと安心です。
おすすめは「ハイブリッド方式」
最もバランスが良いのは、手続き・調整は自分で行い、現場作業は業者に任せる「ハイブリッド方式」です。
この方式のメリットは3つあります。
- 費用を抑えられる:行政手続き代行費や調整費を節約できる
- 安全に進められる:墓石撤去など危険な作業はプロに任せる
- 主体的に進められる:自分で状況を把握しながら進めるため、納得感が高い
ハイブリッド方式で進める場合も、まずは業者から見積もりを取って全体の費用感を把握しておくことをおすすめします。見積もりを見ることで、自分でやるべき部分と業者に任せる部分の判断がしやすくなります。
よくある質問
Q. 改葬許可申請は郵送でもできますか?
A. 自治体によっては郵送での申請を受け付けています。墓地のある市区町村の役所に電話で確認しましょう。遠方の場合は郵送対応が可能な自治体も多いです。
Q. 自分で墓じまいを進める場合、どのくらいの期間がかかりますか?
A. スムーズに進んで3ヶ月程度、親族との調整やお寺との交渉に時間がかかる場合は6ヶ月以上かかることもあります。余裕を持ったスケジュールで進めましょう。
Q. 石材店は自分で選んでよいのですか?
A. 墓地によっては指定の石材店がある場合があります。まず墓地管理者に確認し、指定がなければ自分で複数社から見積もりを取って比較しましょう。
Q. 途中で業者にお任せに切り替えることはできますか?
A. もちろん可能です。自分で進めてみて難しいと感じたら、その時点で墓じまい代行業者に相談しましょう。途中からのサポートに対応してくれる業者も多いです。
まとめ
墓じまいは、すべてを業者に任せなくても、手続き部分を自分で対応することで8万円~18万円程度の節約が可能です。ただし、墓石の解体・撤去は必ず専門業者に依頼しましょう。
おすすめは「手続きは自分で、現場作業は業者に」のハイブリッド方式です。まずは業者の見積もりで費用の全体像を把握し、自分でできる部分を判断するところから始めてみてください。
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